フランクフルトのあしだピアノ教室では、1歳からのプレピアノとピアノの個人レッスンを行っています。
「自分のレベルではまだまだ」「手が動かない」「もうそういう年齢じゃない」という理由で留学をあきらめかかっているそこのあなた!
ピアノ留学はその気になればいつだってできますし、極端な話「ピアノを弾かない」ピアノ留学だってあるんです!
ぜひ「こうでなければ」という思い込みを捨てて、外の世界にチャレンジしてみませんか?
この記事があなたの背中を押すきっかけになれば幸いです。
音楽でドイツに留学したい!という方のために、前回の記事ではビザや滞在許可の要らない滞在と、住民登録について説明しました。
今回は90日以上滞在する場合の滞在許可について解説します。
前回の記事でも説明しましたが、日本人の場合ビザなしでドイツに入国し、ドイツで滞在許可を申請するという流れが一般的ですので、今回の記事でもドイツに来てから申請をする前提で説明します。
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザ、通称「ワーホリビザ」は、30歳(都市によっては31歳)以下の方が申請できる1年間の滞在許可です。
ドイツで余暇(ホリデー)を楽しむことを目的とし、そのホリデーの資金を現地で働いて稼ぐことができる、というコンセプトの滞在許可です。
ワーキングホリデービザは、この後に紹介する2つに比べて申請書類が少なくて済むこと、さらに現地の就労に制限がないというメリットがあり、30歳以下であればまず最初に検討したい滞在許可です。
デメリットとしては、最長1年までの発行で延長ができないことと、生涯で1回しか申請できないことでしょうか。
ただし延長ができない、というのは「ワーキングホリデービザ」の延長ができないというだけであって、他の滞在許可へ切り替えることは可能です。ここで注意したいのは、「ワーキングホリデービザ」から他の滞在許可へ切り替えることはできるが、他の滞在許可から「ワーキングホリデービザ」に切り替えることはできないという点です。
もし2年以上の滞在を希望し、「ワーキングホリデービザ」と後述のドイツ語研修のための滞在許可を組み合わせて2年にしようとする場合は、申請する順番を間違えないようにしましょう。
主な必要書類は以下の通りです(場合によって追加の書類が必要になることがありますので、参考程度にお読みください)。
- パスポート
- 申請書(管轄の外人局指定のもの)
- 往復航空券予約の証明
- 健康保険加入証明書(旅行保険でもよいが、歯科治療、妊娠・出産をカバーするものが必要)
- 生活費の保証(銀行口座明細、1年滞在には最低2000ユーロの残高が必要。片道航空券しかない場合は4000ユーロ以上の残高が必要)
- パスポート用写真
ワーキングホリデービザは、ドイツと日本の間の相互協定に基づき発行されるため、外人局での発行手数料は無料です(ということを外人局の担当が知らないこともあります)。
ドイツ語研修用の滞在許可
次に検討すべきはドイツ語研修用の滞在許可です。
ドイツ語研修用の滞在許可、という呼び方が多くされるこの滞在許可ですが、正式には大学進学準備のための滞在許可とされ、本来はドイツの大学に入学するにあたり、所定のドイツ語要件を満たすためにまずは語学学校へ通う人を対象としたものです。
とはいえ、大学進学する予定が全くなくても、ドイツ語を勉強するためであれば誰でも申請することができます。具体的には、週18~20時間以上のドイツ語コースへの参加が前提となります。
この滞在許可は最長2年まで発行されることになっているのですが、純粋にドイツ語学習のために申請できるのは1年までで、2年目の申請には大学に出願したことの証明が求められます。
担当の外人局によって取り扱いが異なる可能性もありますが、ピアノの個人レッスンのために滞在をするのであれば、最長1年までと考えておくのが無難です。1年滞在した後は、6か月ドイツを離れればまた申請することができます。
現地での就労は外人局の判断によります。1年のうち〇日まで就労可、という就労許可が出ることが多いようですが、就労不可となることもあります。
申請に必要な書類は以下の通りです(あくまで参考としてお読みください)。
- パスポート
- 申請書(外人局指定のもの)
- 語学学校の申込証明書
- 生活費の保証(普通の銀行残高証明で受け付けてくれる外人局もありますが、通常は Sperrkonto という特別な銀行口座の開設を求められます)
- ドイツの健康保険加入証明書
- 賃貸契約書
- 手数料 約110ユーロ
学生用の滞在許可
学生用の滞在許可は、ドイツの大学から合格通知をもらったり、在籍している人が申請をすることができます。
申請書類はドイツ語研修用の滞在許可とほとんど変わりませんが、大学に在籍する期間中は何回でも延長ができます。
- 申請書(外人局指定のもの)
- ドイツの大学の合格通知または在籍証明書
- 生活費の保証(普通の銀行残高証明で受け付けてくれる外人局もありますが、通常は Sperrkonto という特別な銀行口座の開設を求められます)
- ドイツの健康保険加入証明書
- 賃貸契約書
- 手数料 約110ユーロ
滞在許可の申請手続き
ここまで3種類の滞在許可を見てきましたが、申請方法はすべて同じです。
住民登録をした後、外人局へ必要書類を提出します。
提出方法は、外人局によってメール、オンライン申請システム、郵送など異なります。
通常は、外人局にて書類が審査された後、この日に来局してくださいという通知が来ます。その日に外人局へ出かけて行って、指紋の登録と手数料の支払いをします。
現在ドイツでは滞在許可がプラスチックカードで発行されています。このプラスチックカードの発行まで時間がかかるため、手続きの日には書面で仮の滞在許可証が発行されることが多いです。
プラスチックカードは、自宅住所へ送付されることもあれば、外人局や住民局でピックアップしなければならないこともあるので、どの方法なのか申請時に確認しておきましょう。
Sperrkonto とは
最後に、ドイツ語研修用の滞在許可と学生用の滞在許可のところで出てきた Sperrkonto について解説します。
この Sperrkonto とは、1カ月につき一定の上限額までしか引き出しができない口座のことで、通常どこの銀行でも開設が可能です。ネット上ではこの Sperrkonto の開設を代行する業者の広告があふれていますが、直接銀行で開設するのが一番安全です。
1年分の滞在許可を初めて申請する場合は、11208ユーロの残高が必要になります(2023年1月現在の規定による)。この規定では、1カ月につき引き出せる額の上限は934ユーロとされています。
学生寮に入れれば話は別ですが、ドイツの家賃の高さを考えると、ひと月934ユーロの生活費は最低ラインぎりぎりかと思われます。いざという時の資金を引き出せるよう、別の銀行口座も用意しておくとよいでしょう。
最近は Revolut などのマルチカレンシー口座もありますので、興味のある方は調べてみてください。
次回は、ビザ・滞在許可以外で、ドイツ滞在にあたって考えるべきことについて解説します。
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