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ピアノの教本選びには悩みますよね。
私の場合、特に海外在住と言うことで、日本の教本が気軽に買えないという問題もあります。
しかし逆に、生徒さんによっては英語の教本に抵抗がなかったり、インターナショナルスクールに通っている生徒さんであれば、むしろ英語の教本の方がよい、ということもあります。
そういうわけで、私も英語の教本を選ぶ中でピアノ・アドベンチャーに出会いました(今は日本語版も使っています)。
これから何回かに分けて、ピアノ・アドベンチャー・シリーズのレビューをしていこうと思いますが、まずその前に、ピアノ・アドベンチャーを使ってみたいけど迷っている、という方にぜひおすすめしたいのが「ピアノ・アドベンチャー・ティーチャーズ・アトラス」です。
ピアノ・アドベンチャー・ティーチャーズ・アトラスとは?
これはピアノ・アドベンチャー公式のサブスクリプションで、ピアノ・アドベンチャー・シリーズの教本や発表会用曲集などをすべて閲覧できます。文字通り「すべて」です。これには最初びっくりしました。
Piano Adventures Teacher Atlas | Piano Adventures Digital Cloud
サブスクリプションは月9,99ドル(2025年6月現在)で、月ごとに解約できます。
私がピアノ・アドベンチャーを気に入った理由として、教師に対して親切であるという点が挙げられますが、その最たるものがティーチャーズ・アトラスだと思います。
残念ながら英語版しか見ることができませんが、メソッドの全容がわかりますし、レベルごとの発表会曲集も充実しているのでレパートリーを増やすのにも便利です。
この中でもぜひ一度見ていただきたいのが以下の4つです。
ティーチャーズ・アトラス おすすめコンテンツ
ピアノ・アドベンチャー 導入レベル 指導書
なんといってもおススメは、Teaching Piano Adventures という、ピアノ・アドベンチャーの導入書の「指導書」です。
ピアノ・アドベンチャーの導入書といえばこちら。
残念ながら指導書の日本語版はないのですが、ドイツのアマゾンのリンクを貼っておきます。
未就学児には「はじめてのピアノ・アドベンチャー」から始めるのがおすすめですが、年長さんくらいであればこの青い「導入書」から始めても大丈夫です。
この導入書に出てくるすべての曲について、単元の導入の仕方や、指導のポイント、さらにその曲を応用した即興演奏のやり方などが丁寧に説明されています。
さらに著者のナンシー・フェイバー先生が実際に指導しているビデオも視聴できます。
そもそもピアノ・アドベンチャーは教本に書かれた説明が親切なので、指導のポイントがなんだかわからないということはないのですが、この導入書でさらに指導法の引き出しを広げることができます。
生徒さんも、習ったことを応用して即興ができるととても喜びますし、一方通行のレッスンにならないのでレッスンもいきいきとしてきます。
ここに書かれた指導法は、他の教本でも応用ができるので、まだまだピアノを教え始めて間もない、という先生にはとても力強い味方だと思います。
ピアノ・アドベンチャー 導入レベル デュエット集
さらにこの指導書には Duet Appendix と言って、教本の曲の伴奏のバリエーションを集めた曲集があります。
冊子になった指導書を購入すると、このデュエット集は付録としてついてきますが、ティーチャーズ・アトラスでは別々のファイルとして閲覧ができます。
私がピアノ・アドベンチャーを気に入っている理由の一つに、伴奏がバラエティ豊か、ということがあります。
日本の初心者向けの教本は(ピアノランドなどの例外を除いて)伴奏が属七と一の和音だけで構成されていることが多く、伴奏を弾いていても面白くないし、曲が進むとマンネリ化してきます。
ピアノ・アドベンチャーは一番最初の曲からおしゃれなハーモニーや凝ったリズムがでてきます。
少しクラシック以外の要素(ポップス、ジャズ、ロック、ブルースなどなど)が多すぎるきらいもありますが、逆にこれまでクラシックしか弾いてこなかった私には目からウロコのハーモニーの連続でした。
どの教本も、最初は限られた種類の音をポチポチ弾くだけの曲が続きます。生徒さんによっては退屈と感じることもあるでしょう。そこでこのおしゃれな伴奏をつけてあげるとみんなパッと顔が明るくなります。
同じドの音でも、ハーモニーによって全然違った味わいが生まれる、ということを初心者の段階から感じられるようになるとすばらしいですね。
私は、特に導入の段階では「学習」よりも「体験」を優先したいので、色々なアンサンブルの体験ができる教本はとてもありがたい存在です。
初見が苦手な人はもしかしたら最初は苦労するかもしれませんが、頑張って練習して損はないと思います。
フェイバー編ハノン
最後にもう一つお勧めなのが、フェイバー先生が編集したハノン練習曲集です。
これは厳密にはピアノ・アドベンチャーとは別のシリーズなのですが、ティーチャーズ・アトラスに収録されています。
こちらも英語版しかないようです。ドイツのオンライン楽譜ストア、Stretta Music の商品リンクを貼っておきます。
The New Virtuoso Pianist (Stretta Music)
ハノンといえば言わずと知れた「指の練習」。
しかし現代のピアノはハノンの時代のピアノとは別の楽器と言えるくらい変わってきており、現代ピアノを指だけで弾くのは限界である、ということが前書きで説明されています。
このため、このメソッドではまず最初の1週間、指でなく腕の重さを使うための基本の腕の動きを練習することになっています。
その基本の動きをマスターした上で、それぞれの練習曲を腕の動きに分解して練習するという流れになっています。
ハノンをそもそも練習に組み込むかどうかという議論もありますが、もしハノンを使用するのであれば、ウォーミングアップとか、持久力トレーニングとしてなんとなく、とではなく、このフェイバー先生のように1つ1つの練習曲の目的をしっかり理解して取り組むことが大切だと思います。
そういう意味で、このフェイバー編ハノンは一見の価値があると思います。
<おまけ>ピアノ・アドベンチャー ディズニーシリーズ
ピアノ・アドベンチャーには導入レベルから(!)すべてのレベルで発表会用のディズニー曲集があります。
導入レベルでは簡単な伴奏がついているものもあり、私の教室では親子連弾に活用しています。
アレンジがとてもよくできていて、少ない音や限られた音域でもそれらしく聴こえるので弾きがいがあります。
こちらもドイツの Stretta Music のリンクを貼っておきます。
発表会の曲で悩みがちな、初級レベルの3つを選びました。
Pretime Piano Disney: Primer Level (導入書レベル)
Playtime Piano Disney: Level 1
Showtime Piano Disney: Level 2a
ティーチャーズ・アトラスのデメリット
さてここまでティーチャーズ・アトラスのおすすめポイントを書いてきました。
残念ながら欠点もあります。
ページをめくるのが大変
これはピアノ・アドベンチャーの欠点というよりも、このポータルの仕組みの問題なのですが、
行きたいページにパッととべないのです。
最初の頃はどんどんスクロールしていけばよいのですが、曲が進んでいくとページめくりも大変になり、さらに我が家はWiFi環境もあまりよくないので、ページの読み込みに時間がかかったり・・・、という問題もありました。
ということで、結局よく使う「指導書」と「フェイバー編ハノン」は出版されている楽譜も購入しました。
英語版しかない
英語が得意でない方には、英語版しかないというのも不便かと思います。
ただ、最近は画像から翻訳ができるアプリなんかもたくさんあるので、そういうものを活用しながら読んでいくと、海外のマスタークラスに参加したような気持ちも味わえるのではないでしょうか。
「指導書」も「フェイバー編ハノン」も日本語版はまだないようです。
もし英語版の入手をお考えでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。