フランクフルトのあしだピアノ教室では、1歳からのプレピアノレッスンとピアノの個人レッスンを行っています。
今後ドイツへの音楽留学を検討しているという方、ドイツでも演奏活動をしてみたいと思っている方にとって、気になるのはやっぱりドイツ語能力ではないでしょうか?どのくらいのドイツ語能力があれば、留学や演奏活動のチャンスをつかめるのでしょうか?
身も蓋もない結論となりますが、ドイツ語能力は高ければ高いほどいいです。
まずドイツの音楽大学の器楽専攻では、入学の条件としてヨーロッパ言語共通参照枠の B1 からB2 を最低ラインとしているところがほとんどのようです。 ドイツの普通大学の入学最低ラインが B2 から C1 であることを考えると、音楽大学の器楽専攻で求められる語学レベルは同程度かやや低めということになります。
ドイツの各音楽大学の語学要件(2023年7月現在)についてはこちらの記事にまとめました。
音楽大学では実技のレッスンが中心となりますし、奏法を学ぶだけであれば必ずしも高い語学能力は必要ないのかもしれません。
ただ、B1 レベルではドイツ語でストレスなくコミュニケーションをとることは難しいと思います。ドイツ語が満足にしゃべれない、理解できない場合、留学仲間は増えても、ドイツ人のコミュニティに入っていくことがなかなかできません。
そして、ドイツは(恐らく日本以上に)コネ社会なので、自分で演奏活動の場を広げていくには、ドイツ人とのコネクションが必要になってきます。
そういう意味でも、語学能力はできるだけ磨いた方がよいのですが、ドイツ語の習得をお勧めするもう一つの理由は、クラシック音楽の主要な音楽家がドイツ語話者だからです。
以前、ドイツ人の教授にメンデルスゾーンの無言歌をレッスンしてもらった際、フレージングを考えるヒントとして、適当な歌詞をつけて歌ってみるという方法を教わりました。そして教授がその場で無言歌のメロディにドイツ語で適当な歌詞をつけて弾き語りをしてくれました。それだけで、そのフレーズががぜん説得力を帯びたものになり、自然な音楽の流れに感動して涙が出てきてしまいました。
音楽は世界の共通語、とはいうものの、作曲家の母語とその音楽には切っても切れない関係があります。たくさんコンサートに行って、CD を聴いて、楽譜を分析することも大事ですが、その作曲家の話していた言語を勉強することで、作曲家の意図をより深く理解することができるようになります。
そうはいっても語学力ってどうやって身につければいいのでしょうか?
語学に限らず、人間誰でも自分に必要のないスキルはなかなか身につかないものです。日本に住んでいて、日常でドイツ語ができないと困るというシチュエーションはほとんどないでしょう。極端な話、ドイツに住んでいてもドイツ語なしで過ごそうと思えばできないこともありません。
ですから、まずなぜ自分はドイツ語を身につけたいのかという目的をはっきりさせることが重要になってきます。
そして、そのスキルを身につけたらどんな未来が待っているのか、できるだけ具体的に想像してみてください。時間はかかっても、いつかは想像したその自分に行きつけるはずです。
これは、私がピアノを通じて得た経験を語学に応用した考え方です。
語学力を伸ばすさらに具体的な方法についてはこちらの記事もご覧ください。
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